TOPページ › 甲状腺の病気と治療方法 › 機能亢進症『バセドウ病』
甲状腺ホルモンが高くなる病気の中で、最も代表的な疾患です。
症状は下記表1の中の「機能亢進症」の部分をご覧下さい。全体的に代謝が過剰に活発になり、他の臓器に負担をかける状態になります。また人によって(4割くらいといわれています)は、眼球突出、眼瞼浮腫(まぶたのむくみ)、複視(物が二重に見える)など眼科的な症状も出てくる場合があります。のどぼとけの下あたりにある甲状腺自体がふっくら腫れていることが多いのですが、自分では気づかずに家族や知人に指摘されるケースがほとんどです。
※自覚症状には個人差がございます。まずは、検診、医師の診断をお受けいただくことが肝心です。
●血液検査
- 甲状腺ホルモン fT3
---活性型の甲状腺ホルモンで、強い甲状腺ホルモン作用があります。 - 甲状腺ホルモン fT4
---fT3の原料で、弱い甲状腺ホルモン作用があります。 - 甲状腺刺激ホルモン TSH
---甲状腺にホルモン分泌を促すために、脳から出されるホルモンです。 - バセドウ病抗体 TRAb, TSAb
---TRAb(TSAbはその一部)はTSH受容体に対する自己抗体です。この抗体がTSH受容体に大量に長時間結合することで見かけ上TSHが増えたかのように甲状腺に働きかけ、過剰にホルモン生産をしてしまうことになります。
●超音波検査
---超音波によって甲状腺の大きさや形状を確認します。
甲状腺自体が活発にホルモン生成を行っている結果、その過程でできる内容物によって全体的な膨張(びまん性腫大)がみられることが多いです。
●甲状腺シンチグラム
---放射性ヨードを利用して、ホルモンの産生状態を画像的に確認します。
ホルモン生成にはヨード物質が必要なので、それをどれほど大量に甲状腺がとりこもうとしているかを、時間別にヨード物質の摂取率を測定することで確認します。
ホルモン生成が活発になっているので、ヨード摂取率は高い数値です。
1)抗甲状腺剤(メルカゾール、チウラジール)による服薬治療
2)放射線内照射療法(アイソトープ治療)
3)手術
まずは服薬治療でホルモン値の正常値化や抗体の不活性化を目指しますが、副作用があったり薬物による完治が望めなかったりする場合は、過剰なホルモン生成をし続けてしまう甲状腺自体の機能をとりのぞく2), 3)の治療を行います。それぞれ一長一短があるので、個々に最適な治療が選択されます。
無痛性甲状腺炎
亜急性甲状腺炎
プランマー病
薬剤性(健康食品(やせ薬)など)
fT3, fT4のホルモン値、TSAb, TRAbの抗体価が高値を、TSHは低値を示します。